猫エイズについて by動物看護師ウタダ
調布市、三鷹市、府中市の皆様、こんにちは
東京都調布市の西調布犬猫クリニック、動物看護師のウタダです。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
突然ですが、皆さまは”猫エイズ”というものをご存知ですか?
猫免疫不全ウイルス(FIV)の感染により起こる症状を『猫エイズ』といいます。
このウイルスは、感染したからといってすぐに症状が出るわけではありません。ウイルスを持った状態を”キャリア”といい、自分の免疫でウイルスの活動を抑えている状態です。
しかし、免疫力が下がりウイルスが増殖してしまうと猫エイズを発症してしまいます。
発症すると、人間のエイズのように免疫不全に陥り、色々な病気にかかりやすくなってしまいます。そして病状が悪化すると最終的に亡くなってしまう病気です。
感染経路としては、母猫からの感染、交尾、猫同士の喧嘩による咬傷です。
猫から、人・犬など他の動物に感染することはありません。また、完全室内飼育で、猫エイズキャリアの猫と接する事が無ければ、ほぼ感染する可能性はありません。
ワクチンは存在しますが、100%予防できるものではないので、感染猫との接触を避ける為にも完全室内飼育にすることが感染対策として重要です。
しかし、元野良猫さんで、保護した時点でキャリアの場合もあるかと思います。ウイルスを持つ子が全て猫エイズを発症するわけではありません。
出来るだけその子の免疫力を落とすことがないように、ストレスの軽減や生活環境の整備など、猫ちゃんが快適に過ごせるような工夫が発症する可能性を低下させることにつながります。
例えば、猫ちゃんは高いところを好むので、キャットタワーなど上下運動ができるものを設置したり、ストレス発散のために、一日の中で遊ぶ時間を作ってあげたりすると良い思います。
また、猫ちゃんは綺麗好きなので、なるべくトイレは清潔を保ち、食事処とトイレは離して置いてあげるとより良いと思います。
猫免疫不全ウイルスのキャリアに関わらず、大切な猫ちゃんに生涯を快適に過ごしていただく為に様々な工夫をしていきましょう!
ところが病原体とは怖いもので、どんなに動物や人が頑張っても勝てないことはあります。
もしも猫エイズを発症してしまっても、飼い主さまは決してご自身を責めないでください。飼い主さまが猫ちゃんを思ってした行動は必ず伝わっています。
さらなる愛情をたっぷりかけて、その先を過ごしていく事が大切だと思います。
猫免疫不全ウイルスの抗体検査は当院でも行っておりますので、ご希望の方はお申し付けください!
西調布犬猫クリニック 動物看護師ウタダ