猫の巨大結腸症
調布市、三鷹市、府中市近隣にお住まいの飼い主様へ
こんにちは!西調布犬猫クリニック 看護師の瀬川です🐶
飼っている猫ちゃんのうんちが何日も出てない!そんな愛猫の便秘の症状にお困りの飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
便秘は見過ごされがちな問題ですが、放置すると深刻な疾患である「巨大結腸症」を引き起こす可能性があります。
今回は猫の巨大結腸症について解説したいと思います。愛猫の健康を守るため、ぜひ最後までお読みください🐈
1. 巨大結腸症とは
便秘で便が溜まると、結腸(大腸の一部)が伸びた状態が続き、正常な蠕動運動(ぜんどううんどう)が低下します。これにより便を適切に排出できなくなる状態を指します。この状態が続くと、結腸の機能がさらに低下し、慢性的な便秘やその他の健康問題を引き起こす可能性があります。
2. 猫の巨大結腸症の原因
巨大結腸症の原因は主に以下の3つに分類されます
・特発的要因:最も一般的な原因で、結腸の神経や筋肉の機能不全によるもの。具体的な原因が特定できない場合を指す。
・機械的要因:骨盤骨折や腫瘍などにより、結腸が圧迫されることで便の通過が妨げられ、結果として結腸が拡張する。
・機能的要因:神経系の異常や代謝性疾患(例:低カリウム血症)などが原因で、結腸の蠕動運動が低下することがある。
これらの要因が単独または複合的に作用し、巨大結腸症を引き起こします。
3. 巨大結腸症の症状
・排便困難:猫がトイレで何度もいきむが、便が出ない、または少量しか出ない。
・便秘:数日間にわたり排便がない状態が続く。
・嘔吐:食べたものを吐く、または胃液を吐くことがある。
・食欲不振:食欲が低下し、食事の量が減る。
・体重減少:長期間の食欲不振や栄養不足により体重が減少する。
・脱水症状:水分摂取量の低下や嘔吐により、皮膚の弾力性が失われる。
・腹部の膨満感:お腹が張って硬く感じられる。
これらの症状が見られた場合、早急に動物病院での診察を受けることが重要です。
4.巨大結腸症の治療法
治療法は症状の重症度や原因に応じて異なります。
・食事管理 :食物繊維が豊富な食事を与えることで、便の量を増やし、腸の動きを促進する。
・内服的処置:浣腸を行い溜まった便を掻き出したり、軟便剤や下剤が使用されることがある。当院ではラクツロースなどの薬剤が使われることが多い。
・外科的治療:結腸の一部を切除する外科手術が必要になることがある。特に、内科的な治療が効果がない場合や、巨大結腸症が慢性化している場合に検討される。
5.予防
猫の状態に合わせて定期的な健康チェックが推奨されます。腸の健康を維持するために、定期的な便のチェックや、獣医師との連携が重要です。便秘を放置しないことが予防につながります。
6.まとめ
猫の巨大結腸症は、早期発見と適切な治療が非常に重要です。たかが便秘と様子を見続けていると巨大結腸症になってしまうこともあるので、便の様子をよく観察し、気になることがあれば当院にご相談下さい!